日本は国民皆保険なので、無職でも生きているだけでお金がかかります。
では、税金はどうでしょうか?
退職後の生活を設計するに当たり、税金や社会保険料を把握しておくことは大切です。
無職の課税所得
私は、以下2つの収入で生活することを目指しています。
| 収入の種類 | 所得区分 |
|---|---|
| 保有する金融資産から得られる配当金 | 配当所得 |
| 保有する金融資産を売って得られるお金 | 譲渡所得 |
いずれの所得も特定口座で受け取る場合、受け取った時点で20%が源泉徴収されます。
これで課税を完結すれば、課税所得はゼロです。
一方、確定申告する場合、申告した分が課税所得となります。
無職の国民年金保険料
国民年金保険料には、免除制度があります。
- 所得額に応じて、100%/75%/50%/25%の4段階で保険料が免除される
- 退職した翌年度の保険料が免除される制度もある
- いずれの免除制度も、受けるためには申請が必要
例えば、課税を源泉徴収のみで完結させた場合、所得額はゼロなので、
国民年金保険料もゼロにできます。
退職した翌年度の免除については、住民税などでもありがちな、
前年所得に応じた時間差攻撃を避けることができて助かる。
なお、実際の年金受給額の計算に当たっては、
保険料が免除されていた期間分は、満額の50%を払っていたものとして計算されます。
早期退職できる財政基盤を築いた人なら、
国民年金の多寡に大した興味も無いとは思いますが、
払ってなくてもちゃんと年金受給できるなんて、いい国ですよね。

無職の国民健康保険料
冒頭にも書いた通り、日本は国民皆保険なので、
均等割/平等割によって、所得が無い人でも国民健康保険料を支払います。
しかしこちらも、所得額に応じた軽減制度があります。
- 所得額に応じて、70%/50%/20%の3段階で保険料が軽減される
- 軽減を受けるための申請は不要
まともな自治体であれば、
保険料を試算できるExcelシートなどを公開している場合が多いので、
自分が住む予定の自治体で、シミュレーションしてみましょう。
国民年金保険料のように、退職した翌年度分の軽減制度はあるか?
これも、自治体によって制度の有無や、制度内容が異なります。
保険料のシミュレーションと合わせて、制度内容の確認もしておきましょう。
申告有無の損益分岐
配当所得/譲渡所得を申告不要にすれば、
社会保険料を最低限に抑えられるということが分かりました。
一方で、確定申告をしなければ、
配当控除が受けられず、配当金に対する税率が高くなってしまったり、
譲渡損が出ていた場合に損益通算ができなかったりと、
税制面で不利になることが考えられます。
つまり、
- 申告しなければ社会保険料は減るが、税金が増える
- 申告すれば社会保険料は増えるが、税金が減る
という、トレードオフの関係に見えますよね。
実際に確認してみましょう。
所得額の段階ごとに、申告した場合としなかった場合で、
手取りがどのように変化するか試算しました。
※大阪市の40歳/単身世帯の例です
所得額の段階は、各保険料の免除/軽減基準に応じて設定しています。
| 所得額 | 国民年金 | 国民健康保険 |
|---|---|---|
| 43万円以下 | 100%免除 | 70%軽減 |
| 67万円以下 | 100%免除 | 50%軽減 |
| 71.5万円以下 | 75%免除 | 50%軽減 |
| 95万円以下 | 75%免除 | 20%軽減 |
手取り = 所得額-(国民年金保険料+国民健康保険料+課税額)
| 所得額→ | 43万円以下 | 67万円以下 | 71.5万円以下 | 95万円以下 |
|---|---|---|---|---|
| 国民年金保険料 | 0万円 | 0万円 | 5.1万円 | 5.1万円 |
| 国民健康保険料 | 2.7万円 | 8万円 | 8.6万円 | 14.7万円 |
| 申告不要 | ||||
| 課税額 | 8.6万円 | 13.4万円 | 14.3万円 | 19万円 |
| 手取り | 31.7万円 | 50.9万円 | 54.5万円 | 73.3万円 |
| 確定申告 | ||||
| 課税額 | 3.1万円 | 4.8万円 | 5.1万円 | 6.8万円 |
| 手取り | 37.2万円 | 54.2万円 | 52.7万円 | 68.4万円 |
- 損益分岐点は「67万円」
- 確定申告する場合、配当控除を受けることが前提
配当所得が67万円以下までは、国民年金保険料の全額免除が大きい。
そこを超えてくると、確定申告しない方が得というのは、
事務手続きの手間の面でも嬉しいですね。
まとめ:社会保険料も適切に支出管理
会社員として働いている間は、税金や社会保険料のコントロールは難しく、
それ以外の部分で倹約を頑張ることになります。
無職になったら、税金や社会保険料も最適化が必要。
退職時に必要な手続きなどもあるので、事前に知識を備えておきましょう。
なお、今回のシミュレーションについて、
実際はNISAの非課税枠の活用によって、そもそも所得に課税されないなど、
加味していない要素もあります。
ただ、NISA範囲内の資産額だけでFIREするのも難しいですよね。
今回の話は、
特定口座で得る所得に対する戦略と、社会保険料を最適化するための知識として、
各自の人生設計にお役立てください。



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