FIREにはインカムゲインが必要で、
リスク分散の観点からドル建て資産も欲しい、という話をしてきました。
そこで候補になってくる、米国市場の高配当ETFについて考えます。
個別株かETFか
米国市場にはありがたいことに、
経費率0.1%を切る水準で低コストな優良ETFが存在するので、
私はETFでいいなと思っています。
日本市場では、そんな低コストで、かつ、まともな運用成績のETFが存在しないので、
自分で個別株を買い集めるしかない。
でも、人に任せられるなら任せたいのが本音。
私は投資がしたいのではなく、働かないのが目的なので、
お金はなるべく労力をかけずに得られた方が嬉しいです。
3強の素性
運用成績、コスト、時価総額などから考えて、現状、
配当狙いのETFであれば、「VYM」「HDV」「SPYD」が3強。
それぞれの素性をざっと確認しておくと、こんな感じ。
| ティッカー | 配当金利回り(平均) | 経費率 | ベンチマーク | 組入銘柄数 | 設定日 |
|---|---|---|---|---|---|
| VYM | 3.01% | 0.06% | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス | 約480 | 2006年11月 |
| HDV | 3.51% | 0.08% | モーニングスター配当フォーカス指数 | 約80 | 2011年3月 |
| SPYD | 4.52% | 0.07% | S&P500高配当指数 | 約80 | 2015年10月 |
どれも平均3%を超える配当金利回りで、経費率0.1%を切る低コスト。
ベンチマークや組入銘柄数には違いがあり、それぞれに性格の異なるETFになっています。
配当金の比較
SPYDが設定されて以降の配当金を比較します。

・利回り3%付近で推移
・着実に増配
・利回り3~4%で推移
・着実に増配
・利回り4~5%で推移
・配当はほぼ横ばい
VYMHDVは購入時の利回りは低いが、経年の利回り向上に期待できる。
SPYDは購入時から利回りが高いが、成長性に乏しい。
このような性格の違いが見て取れます。
特にSPYDは、コロナショックでの利回り低下幅が顕著に大きいですね。
見事なV字回復ですが。
組入銘柄の比較
運用会社に分散投資をお任せするわけですが、
何に投資しているのかを把握しておきましょう。
セクター比率で見ると、このような分布になっています。

・比率最大は金融(21%)
・サイクリカル/ディフェンシブの比率はおよそ50:50
・比率最大はエネルギー(25%)
・ディフェンシブセクターが約75%を占める
・比率最大は不動産(22%)3強で唯一、不動産を組み入れている
・サイクリカルセクターが約65%を占める
似ているVYM/HDVと、だいぶ違うSPYD
ここまで見てきて、なんとなく、
「SPYDは明らかに違うけど、VYMとHDVが似てる」
という感想になると思います。
VYMとHDVは、投資対象セクターは同じで、比率が異なります。
また、VYMが約480銘柄、HDVが約80銘柄、分散度が大きく異なりますが、
HDVの投資対象80銘柄はすべて、VYMにも含まれています。
※2023年3月時点
利回りはHDVが常に上回っていますが、
VYMより変動幅は大きく、減配も経験しています。

HDVが設定された2012年以降の増配率に注目すると、こんな感じ。
| ティッカー | 平均増配率 | 直近3年増配率 | 10年増配率 |
|---|---|---|---|
| VYM | 107.4% | 111.9% | 204.1% |
| HDV | 106.1% | 104.1% | 177.5% |
直近3年は、コロナショックを含む期間の増配率。
やはり、VYMがよりディフェンシブで、成長力に勝ります。
そろそろ、選択の指針をまとめていきましょう。
私は「HDV」、SPYDは要監視
いずれも優秀なETFであることには違いなく、結局は、目的次第での選択になります。
遠い未来の安定配当に期待するならコレ
・組入銘柄数が圧倒的に多い
・その分、低利回りの銘柄も含むが、リスク低下と成長力に寄与
利回りと、安定性/成長性のバランスを取るならコレ
・VYMの投資対象をさらに厳選したようなETF
・平均利回りが高まる分、リスク・増/成長力・減
最初から高い利回りを求めるならコレ
・設定来、毎年VYM/HDV以上の利回り
・高い利回りは維持しているが、配当は不安定
私は現在、36歳。
年金受給が始まるまでの、残り24年間のキャッシュフローが特に重要。
そうなると、ここまでの運用成績からは、HDVがベストな選択肢と言えそうです。
・配当金利回りは平均3.5%、十分に高配当と言える水準
・設定来、減配は2回あるものの、概ね右肩上がりの配当成長
VYM/HDV/SPYDを、それぞれ同じタイミングで購入した場合、
現在までの平均増配率を維持したと仮定すると、
・VYMがHDVの利回りに追い付くのは、約12年後
・HDVがSPYDの利回りに追い付くのは、約4年後
SPYDは現状、短期的には最も高い利回りを期待できますが、
長期保有する前提で、生活費の原資と考えると、劣って見えます。
ただし、直近2022年は、
コロナショックからのV字回復で過去最高の配当額を叩き出しており、
動向には引き続き注目したいところです。
まとめ:性格が違うから、適する場面も違う
VYM/HDV/SPYDを比較して、それぞれの適材適所を探りました。
各自のFIRE計画と照らし合わせて、最適な投資対象の判断にお役立てください。
そもそも「ETFじゃなくて個別株を買うよ」というのも良いですしね。
日本市場にもこんなETF欲しいなぁ。



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